現物取引と信用取引の違いとは

株式投資には、大きく分けると、現物取引と信用取引に分けることができます。現物取引というのは、資金と引きかえに、ある銘柄を購入することをいいます。
現物取引では、当然のことながら、自己資金が100万円であれば、100万円以内の株しか購入することができません。

その一方で、これが信用取引であれば、自己資金の約3倍の銘柄を購入することができます。
たとえば、自己資金が100万円であっても、100万円分の株式投資を行うことができます。

ただ、この信用取引を行うには、証券会社で信用取引口座を開設したうえで、証拠金とよばれる担保を証券会社に差し入れる必要があります。
一般的に、この証拠金は、最低でも30万円が必要であるといわれています。
こうした信用取引の仕組みを「レバレッジ」つまり「てこ」と呼びます。

現物取引と信用取引の違いは、証拠金の約3倍の株式投資を行うことができるだけではありません。たとえば、現物取引では、一日のうちに、同じ銘柄を、何度も売買することはできません。

一方で、信用取引であれば、同じ銘柄であっても、一日のうちに何度も売買することができます。ただ、注意が必要なのは、信用取引には、取引の期限があるということです。一般信用取引では、通常6か月以内に決済しなければなりません。
そのため、当初より急激に株価が値下がりした場合でも、6か月の期限内に必ず決済する必要があります。

これに対して、現物取引には、決済の期限がないため、当初より急激に株価が値下がりした場合でも、いつまでも維持することができます。
こうしたことから、信用取引は、デイトレードに向いている取引ともいえます。
その一方、現物取引は、長期保有を考えている投資家に向いているともいえます。

また、信用取引では、ある銘柄を買うだけではなく、売りから入ることもできます。
これは「空売り」と呼ばれる手法で、株価の下落が見込まれるときに、利益を上げることができます。

その一方、現物取引では、空売りはできません。
基本的に買うことしかできないため、株価の下落が発生した場合は、損切りするか、株価が上向くまで塩漬けにしておくしかありません。

ただし、現物取引で購入した銘柄が、配当を行っていたり、株主優待を行っている場合には、株価が下がったとしても、収入を得ることができます。信用取引では、こうした配当や株主優待を受けることができないことにも注意が必要です。